MOMOKUMA’s diary

下級国民ですが、怒っています!!

核燃料サイクル

私の田舎は、青森県である。

青森県には、何でもある。米軍、陸海空の自衛隊原発、そして国内唯一の核燃料サイクル工場。

北朝鮮あたりが、攻撃先を選ぶとすれば三沢から六ヶ所、大間あたりにすれば北東北から北海道南側まで影響は及ぶに違いない。

 

核燃料サイクル事業というのを、皆さんはご存知だろうか?

 

原発で出る燃料の燃えカスを、この工場でプルトニウム等に分解した上で、原発で再度、燃料として使用できるように加工(MOX燃料)して、再度、原発で燃料と使ってもらう、というのが一連の工程だ。そもそも、日本は資源が無い国のため、万一、ウラン燃料が暴騰したり、輸入できなくなっても基幹エネルギーの原発を稼働し続けるようにする、というのが謳い文句であった。

 

しかし、近年、ウラン燃料は安定的な価格を維持し続けており、サイクル事業で発生する燃料よりも、かなり割安になっている。また、再処理をする過程が技術的に難解で、残念ながら、未だ、実用化の目処がたっていない。

 

日本の原発事業の最大の問題点は、使用済み核燃料の処理方法が決まっていないことだ。元々、このサイクル事業で円滑に周るはずだったのだが、実用化できていないため、膨大な使用済み核燃料が各地の原発や、一時的に六ケ所村の日本原燃で保管されている。また、むつ市には一時的に保管する施設も作られたが、現状では、全く足りない。

 

つまり、原発を動かしてもその使用済み燃料を保管する場所が無いのだ。よく言われる、「便所のない高級マンション」と揶揄されるが、そのとおりだと思う。

 

ところが、この事業はやめるにやめられない。もし、やめた場合、現在保管している使用済み核燃料は、各原発に戻さなければならないことになっているのだ。そして、各原発には、そのスペースがほぼ無い。前述の一時保管をする施設も核燃料サイクルのための施設であり、やめた場合の保管施設とするには、何十年ももめた地元自治体や近隣自治体を納得させなければならないが、恐らく無理であろう。

 

河野さんが安易に、核燃料サイクル事業はやめます、といっても、そんなに簡単な話ではないことをご理解されているのか、疑問に思う。

 

ワクチン接種をすすめるのとは、ワケが違う。河野さんの地元の神奈川県で、全量を引き受けるのなら別だが、それができるのであれば自信を持って、代替え策も披露しながら、核燃料サイクル事業からの撤退を堂々と主張すれば良い。

 

青森県民としては、軽々な主張は混乱を招くだけだから、やめたほうが良いと忠告しておく。